Quadrophenia

好きなものを好きって言えるといいね。てか、日本の流行って知らないんだよ。
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アカデミー賞発表間近。
別に賞がどうのというわけではなく、アカデミーがどういう反応をするのか、どういう映画を彼らが良しと判断するのかに興味がある。お国柄ってのがでるんじゃないか。
人間が判断する事、純粋に作品の良し悪しだけで選考するなんてことはできるはずがない、と思っている。スペインのゴヤ賞だってしかり。
今年の興味は昨年 MYSTIC RIVER という作品を引っさげて乗り込んだものの対抗馬 ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還...The Lord of the Rings:The Return of The... に作品賞と監督賞を持っていかれてしまった Clint Eastwood に対して今年はどういう結果を出すんだろうか。
2月27日(日)は Oscar アカデミー賞の授賞式だ。いつも思うのだけど、どうして土曜日あたりにやってくれないんだろう。こちらで生を見ようとすると夜中の午前2時ごろから始まるため(実際は2月28日(月)になる)、最後まで見ることができない。翌日は月曜日、仕事だっていうのに。
とまあ、文句を言っても仕方がないので、本題にさっさと入ろう。

アカデミー賞についてはすでに各所で予想レースが始まっていることと思うので、その話題は避けて、せっかくココまで続けてきた外国映画賞の予想などしつこくやってみようか。とは言うものの、外国映画賞にノミネートされている作品をすべて観ているわけではないので、 'Mar adentro' The Sea Inside) が受賞できるかどうかに焦点をあわせる。ま、他の映画は、全然知らないということだな。

さて、前置きが非常に長くなってしまったけれど、 'Mar adentro'The Sea Inside) は外国映画賞を受賞できるのだろうか。
低迷していたスペイン映画界を背負って、アカデミー賞外国映画賞 'Todo sobre mi madre' (オール・アバウト・マイ・マザー…ALL ABOUT MY MOTHER) と同オリジナル脚本賞 'Hable con ella' (トーク・トゥ・ハー...talk to her) を受賞、同作品では監督賞にもノミネートされた Pedro Almodóvar 監督の業績はまだ記憶に新しい。
かたや三年前 Nicole Kidman を起用した、アザーズ the Others (2001)の時は新人に過ぎなかった Alejandro Amenábar 監督は、彼の4作品目の監督作品 'Mar adentro'The Sea Inside)でアカデミー賞外国映画賞ノミネートを果たした。
前記事でも述べたように、スペイン映画アカデミーの秘蔵っ子のような Alejandro Amenábar 監督に対して、Almodóvar 監督に対してのスペイン映画アカデミーの評価は厳しい。アカデミー賞オリジナル脚本賞、監督賞ノミネートの 'Hable con ella' (トーク・トゥ・ハー...talk to her) は 「ゴヤ賞」 を獲得できず、「ゴヤ賞」 受賞作品はノミネートすらされなかった。

Amenábar 監督がなぜこうもスペイン映画アカデミーに受けがいいのか、もしくは Almodóvar 監督の受けが悪いのかは謎である。Amenábar 監督の正統派がスペイン映画アカデミーの好みなのか、Almodóvar 監督の斬新さが気に入らないのか、もちろんアカデミーはそんなことをわざわざ説明しないが…。

ただし、米国映画アカデミーになると大勢は変わる。 Almodóvar 監督の自分自身をピエロにしたてるようなキャラクターが愛されている。Amenábar 監督には絶対マネのできないキャラクターである。Amenábar 監督が正面からテーマを撮るのにたいして、Almodóvar 監督はテーマを皮肉っぽくピエロに見立てながら撮る。
Amenábar 監督の作品の取り組みかたを果たして米国映画界が好むだろうか。
ここで、はっきりしている事は、スペイン映画アカデミーが選ぶ映画と、米国映画アカデミーが選ぶ映画は決して同じではないということだ。。

2月7日(月)Pedro Almodóvar 兄弟がスペイン映画アカデミーからの脱会を発表した。「ゴヤ賞」 の選考基準、システムに納得できないというのが理由だ。カンヌ映画祭のオープニングに起用され、'The New York Times' にて絶賛された 'La mala educación' が 「ゴヤ賞」 をひとつも受賞できなかったことへの抗議…、というより、問いかけのように思える。

「いったい、僕が何をしたって言うんだ」
ゴヤ賞 -Almodovar vs Amenabar-
ゴヤ賞 -GOYA 2005-

2005年の 「ゴヤ賞」 は 'Mar adentro'(The Sea Inside) の14賞受賞という歴代最高受賞数獲得というまさに独壇場で終わった。今回初の対決と注目された Pedro Almodóvar 監督の 'La mala educación' は4ノミネートにとどまり、受賞はかなわなかった。
その受賞内訳は以下の通りである。
*映画賞、*監督賞、主演男優賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞、男優新人賞、女優新人賞、*オリジナル脚本賞、製作賞、撮影賞、*オリジナル音楽賞、メーキャップ賞、音響賞 (*印は Amenábar 監督の受賞であるが、音楽まで手がけている)

さて、これら数ある受賞のなかでも注目したいのは俳優へ与えられる賞を総ナメにしていることである。正直言って、この快挙は最初で最後になるのではないかと思っている。
授賞式で印象的だったのは、出てくる俳優が口を揃えて Amenábar 監督を絶賛していたことである。たんなるお決まりの賞賛ではない。ここに出てくる俳優陣、主演の Javier Bardem を省いて今まで名前も顔も知らなかった俳優ばかりである。


主演女優賞候補の顔ぶれをごらんあれ。前々回の記事でも語った Ana Belén、皆さんよくご存知の Penélope Cruz、そしてベテラン Pilar Bardem、名前を見てお分かりかと思うが、Javier Bardem のお母さん。主演女優賞を受賞した Lola Dueñas は Madrid 出身。今回 Galicia 地方の方言にはかなり悩まされたらしいが、強力なライバルを振り切って、今までぱっとしない役ばかりやっていた彼女が見事主演女優賞を獲得した。
特に Galicia 地方が背景となっているため、助演賞のふたりは Galicia 出身。スペインの首都である Madrid よりも地元 Galicia の舞台やTVで活躍しているいわゆるマイナーな俳優である。新人男優賞の Tamar Novas は 「何か仕事はないかいな」 とフラッと現れたところを起用されたという文字通りの新人である。新人女優賞の Belén Rueda 新人というほど若くはないのだが、映画出演はこれが始めて。実は彼女、TV界ではシリーズ物やクイズ司会のパートナーなどやって来ているのだが、どちらかというと美人という外見での起用が殆どだった。過去に映画の誘いもあったものの、TV界で植えつけられた演技への劣等感から決して映画出演を承諾したことはなかった。 'Mar adentro'(The Sea Inside) への起用についても周囲の下馬評は決して高くなかったのである。
映画公開後、人々の見方がかわった。Galicia の素朴な地方の素朴な人々の物語に心を打たれた。パズルのパーツをひとつひとつ当てていくように、役をはめていった Amenábar 監督への賛辞は偽りのないものだったように思える。
ところで、アカデミー賞にもノミネートされているメーキャップ賞受賞チームだが、 Javier Bardem の一日5時間の変身術にもくわえて、プロの俳優陣をただの田舎のおっさん、おばさんに仕立て上げたことにも一役買っているにちがいない。
この映画の製作中に Javier Bardem と Belén Rueda がイイ仲になったという噂があるけど、本当にしても嘘にしても、まあ、それぞれの私生活についてはここでは遠慮しておこう。
次回は Amenábar 監督は、はたしてアカデミー賞を獲得できるか?! でいってみようか。
ゴヤ賞 -Almodovar vs Amenabar-
ゴヤ賞 -Oscar のゆくえ-

1月30日(日)スペインのアカデミー賞ともいえる「ゴヤ賞」が発表された。今回の見所は、80年代に頭角を現し、すでにアカデミー賞脚本賞、外国映画賞を受賞している、Pedro Almodóvar の15作目 'La mala educación' と 90年代の新鋭、本年度のアカデミー賞にノミネートされた Alejandro Amenábar の4作目 'Mar adentro' による「ゴヤ賞」において初めての対決となった。

'La mala educación' は今回4ノミネート。 'Mar adentro' (The Sea Inside) は15ノミネート。過去最高受賞数は13。今回 'Mar adentro' はその記録を破る期待も寄せられていた。

スペインの Pedro Almodóvar 監督といえば、世界的にも有名な監督である。さぞやスペインのアカデミー賞 「ゴヤ賞」 を総なめにしてきたのであろうと思いきや、以外にも今までに 'Mujeres al borde de un ataque de nervios' (神経衰弱ぎりぎりの女たちWOMEN ON THE VERGE OF A NERVOUS BREAKDOWN) と、アカデミー賞外国映画賞を受賞した 'Todo sobre mi madre' (オール・アバウト・マイ・マザー…ALL ABOUT MY MOTHER) の二作品しか受賞していない。アカデミー賞脚本賞を受賞した 'Hable con ella' (トーク・トゥ・ハー...talk to her) は、音楽賞のみの受賞で終わっている。Almodóvar 監督、どうもスペインアカデミーとはあまり相性がよろしくないようである。

それに引き換え、若きAmenábar 監督は 「ゴヤ賞」 と深く関わりあってきている。まず、Thesisで映画賞と監督賞を含む7つの 「ゴヤ賞」 を獲得。続く Open Your Eyes (1997) では、受賞こそ逃したが、10賞にノミネートを果たし、アザーズ the Others (2001)によって、8賞を受賞。うち監督賞は Almodóvar 監督によって授与された。

そして、2005年1月30日(日)15ノミネートを果たした 'Mar adentro' (The Sea Inside)は、内14賞を獲得するという 「ゴヤ賞」 史上最高の受賞記録を打ち立てたのである。 (この項続く)
ゴヤ賞 -Oscar のゆくえ-
ゴヤ賞 -GOYA 2005-

The Sea Inside
Alejandro Amenábar 監督の"Mar adentro (The Sea Inside)"が、ゴールデングローブ賞、最優秀外国語映画賞を獲得した。
事故で首から下がの不随になり、安楽死の正当化を訴え続けたガリシアの船乗り Ramón Sampedro の物語である。この Amenábal 監督、Nikol Kidman 主演の アザーズ the Others (2001)で一躍国際的に注目された。それまでにも、Vanilla Sky (2001) でトム・クルーズがリメイクした Open Your Eyes (1997) などスペイン国内では名の知れた監督ではあったが、ここに来て一挙に オール・アバウト・マイ・マ...ALL ABOUT MY MOTHER の Pedro Almodobar 監督に続くアカデミー賞有力候補となっちまったわけである。長らく低迷を続けていたスペイン映画界に第二の星が現れたということで、国内ではかなりアカデミー賞の成り行きが注目されている。まあ、やっぱり自国の作品が世界で認められるというのは嬉しいものなんだろう。日本も昨年松平さんで結構フィーバーしてたじゃあないか。
夜になるまえに (2001) でアカデミー賞にノミネートされたこともある主役の Javier Bardem は、残念ながら Leonardo Di Caprio に主演男優賞をかっさらわれてしまった。この Javier Bardem 国内では数々の賞を受賞して若くして名優の誉れ高い俳優だ。Open Your Eyes (1997) に出ている Penerope Cruz 初主演作品 ハモンハモンJAMONJAMON でいかれたアンちゃん役をやっている。なんせ、でかいし、ごついし、顔も迫力があるので、どちらかといえば破天荒な役が多いが、最近ではしがない失業中のおやじも演じたり、顔のよさだけで売っている俳優でないのは確かだ。
The Sea Inside では、撮影中毎日5時間のメーキャップで全身麻痺の Ramón Sampedro を見事に演じてる。
Amenábal 監督は 「安楽死のテーマではなく、 Ramón Sampedro という人間に焦点をあわせたが、彼の命は彼のものだ」 とコメントしている。安楽死はカトリックが根付くスペインには非常に受け入れらにくいテーマである。1996年に出版されたものの、 Ramón Sampedro の自殺後、賛否両論の論争を引き起こし、絶版になっていた Ramón Sampedro の著書 'Cartas desde el infierno' (地獄からの手紙)が再出版されることになった。この映画によって、いやおうなく人々が再びこのテーマへと導かれていくのは確かだ。

つい先日、「自分が Ramón Sampedro 薬を盛った」という女性が現れたが、こんなことで Ramón Sampedro の望んだ語られるべきテーマを見失わないことを願うばかりである。
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