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2005年12月16日(金)、Chambao は、マドリッド市に於いてのコンサートで新アルバム "Pokito a Poko" を披露した。Chambao は 2001 年の夏、マラガ市のぺドレガレッホという所で、偶然であった Eddi、Mari、Dani、Henrik の四人の若者によって構成された、独特的な音楽を奏でるグループである。"chambao (チャンバオ)" というグループ名は夏至にあたる San Juan の夜には付き物の "chambao" を作ったことに由来している。 "chambao" とは、住居もしくは灼熱の太陽、雨、風を避けるための屋根の類を意味するアンダルシア地方の呼び名である。 幼少の頃から音楽になじんでいた従兄弟同士の Dani とEdi。 マラガ市のサンタ・テレサで育った Mari。Mari は少女の頃は英米系音楽をよく聴いていた、母親によって今の彼女の情熱と芸術であるフラメンコを知り、旅行代理店に勤めていた。 Henrik はコロンビアの民族舞踊・音楽に熟知し、ロンドンで映画制作を学んだコロンビア育ちのオランダ人である。運命の悪戯か、休暇中に Eddi、Dani そして Mari と知り合い、共用な音楽への興味を持っていることに気づき、フラメンコの基盤を保ちながら、ビーチ、海岸沿いの地域に根付く文化を語る音楽を記録し始めたのである。 フラメンコという土地に根付く音楽と現代的な音が混ざり合い "Chambao" の音が出来上がった。アンダルシアのアクセントのあるボーカル Mari を助けるように、詩を反映しながら、同時に慎ましく優雅にコーラスとしてバンドメンバーがいる。Chambao の音楽は "flamenco chill" と形容されるが、彼らは本来の独自のスタイルを維持する従来の音楽様式とは別の新しいユニットである。 アルバムを発表するたびにメンバーが一人、また一人と抜けて行き、新アルバム "Pokito a Poko" は、Mari と Edi のデュエットになる。 Mari は、生来ソロとして活動する可能性を否定していない。 私が始めて Chambao を聞いたのは、Endorfinas en la Mente にも入っている !Ahi Estas Tu! という曲。アンダルシア地方の観光推進のためのCMイメージソングに今も使われている。彼らの ホームページ に行くと、視聴ができるので是非一度、訪れて欲しい。 ![]() 例えば、Discography のページに行くと、CDの曲が数曲視聴できる。![]() Multimedia の Video の項にある音楽ビデオもお勧めする。スペインの歌手のホームページは、さわりだけのホンの少しだけの試聴ではなく、一曲を通して終わりまで聞けるところが多い。ビデオクリップも通して見ることができるので、他のメンバーも見ることができる。 2005年5月、ボーカルの Mari は癌の摘出手術を受けたことを公表した。「悪性腫瘍摘出手術を受けたの。大方の腫瘍が摘出され、これから放射線治療が始まるの。治療は六ヶ月かかるけど、もうちょっとしたことならできる。今は最高の気分。ややこしいところはもう済んだの。治療の間に、ツルンツルンの頭になっちゃうだろうけど、そんなことは気にしてないわ」 先日12月16日は、頭をスカーフで覆っての記者会見だった。 これから冬のコンサート・ツアーが待っている。直にあの長い黒髪も元通りになるだろう。 "Pokito a Poko" 『少しずつ、少しずつ』 頑張れ。 http://www.chambao.es/ "Ahi estas tu" を訳してみた。なんとなくでも彼らの語ろうとするものが伝わってくれればと思う。 ラテングラミー賞のノミネートが8月23日に発表され、スペインの歌手BEBEが5部門にノミネートされ賞レースのトップに立ったらしい。彼女の曲が頻繁に流れるようになったのは、昨年からのこと。それがもうラテングラミー賞にノミネートされるとは、たいしたもんだ。 Spanish Pop/Folk-rock とカテゴリー分けされている彼女の曲は、確かにスペインの歌謡曲の流れがあるし、ギター一本で舞台に立ちアクの強い歌を歌う様子はいかにもフォークロック系。だけど、それだけじゃBEBEは語れない。 1978年5月9日、バレンシアに生まれながらも、やはりミュージシャンの両親とスペイン各地を転々とする。その中で、いつも回りにあるものは楽器と音楽。バンドのコーラスから始まり、やがて彼女の独特な声とギターだけを抱えて首都マドリッドに移り住む。そして、エクストレマーダのコンテストで受賞。シンガーソングライターとしてのBEBEの始まりである。 2003年、それまでに蓄えてきたBEBEの音楽を収録すべく、アルバム製作開始。そして、2004年、ファーストシングル "Malo"、ファーストアルバム"Pafuera Telaranas" を発表する。 彼女の詩は、現代っ子が携帯電話などのメッセージに使うような略語が使われているにもかかわらず、歌われてるのは "一人称の女性" の愛の物語。 ファーストシングル "Malo" に描かれるのは DV に絶える女性の歌。 寒い夜に現れたそんなフレーズに始まる詩は、標的をみつけた夫の目の前にいる女の訴え。 もう一度、お願いやめて痛いほどリアルに女の危険と暴力による痛みが伝わる。それでも耐えるしかないのかと思えば、何度も繰り返される次のフレーズに続く。 悪いやつ、悪いやつ、悪いやつアンタはBEBEの言葉遣いや、視覚的なイメージから反逆児的宣伝が先立っているような気がするが、リベラルではあっても反抗的ではないと思う。 どちらかというと癒し系を収集している自分は、彼女の曲を好んで収集することはない。彼女の表現が生々しく、激しすぎるのだ。それでも、その強烈な個性に魅了され目にしたり耳にするものは集中して聴いてしまう。今の彼女の販売イメージが変わり、バラードなど歌ったら病み付きになってしまうかもしれない。 売り出し中のBEBEだから、彼女に関するWEBは山ほどあるのだけれど、せっかくだからオフィシャル・サイト BEBE, la WEBを紹介しよう。 トップ頁の "Mi Disco" をクリックして、ページに現れた をクリックするとファーストシングル "Malo" のビデオクリップが見れる。ちなみにBEBEは演劇芸術を学んだことがある。そのビデオクリップに登場するのはBEBEではなく、歌に出てくる主人公の女性を演じていると思う。とすれば、このお嬢さん、将来が楽しみな大した女性だと思うよ。おっと、大切なことを忘れていた。 このアルバムのタイトルは "Para fuera telarañas" ちょっと訛った口語体を文字にしていて、その意味は 「あっちへ行け、くもの巣」 ってところでしょうか。記事内の訳詩といい、あんまりあてにしないでね。
El Gusto Es Nuestro (1997)
ロックンロールが流行り始めの頃。日本でもエレキギターを抱えて当時の大人に白い目で見られた時代。彼らも若かりし頃、まだにきび面でロックをはじめ、スペインの歌謡界を生きてきたおっさんたちです。まあ、それぞれにそれぞれの分野を開拓し今の地位を築いたおっさんたちです。![]() さて、今回取り上げるのは、このおっさんたちの間にはさまれているおばさん Ana Belén(笑。本名は María del Pilar Cuesta Acosta といいます。1951年5月27日生まれ。彼女の職業についてですが、日本では音楽でしか殆ど知られていないと思いますが、個人的には女優と言いたい。1965年13歳で映画デビューし、以降、スペインの舞台、映画界で活躍しています。1972年に上の写真の向かって左にいる Víctor Manuel と結婚し2児の母親でもあります。映画や舞台でどうどう主役を張り、映画監督、プロデュースまでこなす女性。ふたりの子供のことを芸能界にもちこまないし、スクープ関係の雑誌にも姿を見せない。仕事と私生活共にしっかりこなしながら、才女というすましたところは少しもなく、やる気まんまんの見ていてとても気持ちのいい人、とてもしっかりした人という印象を与えます。 ![]() さて、歌ですが、はっきり言って音楽界でずっとやってきた三人よりずっと歌唱力があります。いやいや、Víctor Manuel、Joan Manuel Serrat、Miguel Ríos の御三家はシンガーソングライターですからね。やっぱり、舞台で発声をしっかりやっているだけあって、彼女は腹から無理なく声を出しているし、なんといっても表現力は抜群。Para La Ternura Siempre や、Mucho Mas Que Dos [1999] のように、夫 Víctor Manuel の作品はもちろん、Joan Manuel Serrat、Miguel Ríos、その他いろいろなライターの楽曲を歌っています。もちろん、彼女だけのアルバムも Mirame、スペインの詩人ロルカの作品を集めた Lorquiana: Canciones Populares de Federico G Lorca [1999]、Peces de Ciudad などを初め数多のアルバムを発表しています。 今回特に El Gusto Es Nuestro (1997) をあげた理由のひとつは、ライブツアー。 ![]() コンサート会場の中には、女優として活躍する彼女より夫のほうがよく知られているところもあって、ふたりのツアーで夫に続いて会場に入ろうとしたらキオスクで新聞を売っているおばちゃんに関係者以外は入っちゃいけないと言われて、会場の関係者でもないおばちゃん相手に怒ることもなく自分も舞台にでるんだと一生懸命説明していたなんておもしろい逸話もありますが、とにかく彼女がでると映える。まず、会場とバックにまけない声量と、舞台慣れしている器量。そして、夫の仲間の有名ミュージシャンが飛び入りで入って来たり、なんとなくこの夫婦の人柄も伺われ、ふたりのコンサートがいつも満杯なのがちょっとわかる気がしませんか。そうそう、で El Gusto Es Nuestro (1997) の意味ですが、ほら、「会えて嬉しかったですよ」 とか 「おかげでとっても楽しかったです」 とか言われたとき、よく 「いえいえ、とんでもないこちらこそ」 みたいなこと言いませんか。このタイトルにはそういう意味があります。彼らの作品を聴いてくれるリスナーや観客への感謝を込めたメッセージじゃないでしょうかね。
まあ、純正スペインアーティストで名実共に国際的な歌手といえば、Alejandro Sanz なんだろう。
No Es lo Mismo このアルバム No Es lo Mismo で Latin Grammy Awards を獲得した。もうスペインでは大人も子供も大好きなスーパースターだから、アルバム、シングル発売と殆ど同時にトップ。いまやアルバム発売を心待ちにされる歌手になった。 彼の楽曲は、 Alejandro Sanz の歌だとすぐにわかる。それが、マンネリにならないのは才能なんだろう。 『同じじゃない』と意味深なタイトル。数年前からスペインを離れ、マイアミを拠点に活動している。その間一児の父親にもなった。そのせいかどうか、曲風も変わっている。従来の彼のファンにはなじみきれない曲風もあるようだが、そこは大御所。シングルカットされたタイトル曲 "No Es lo Mismo" も、国内ヒットチャートのトップを獲得した。 El Alma Al Aire 初めて Latin Grammy Awards にノミネートされたのは このアルバム El Alma Al Aire。どっぷり Alejandro 節を聞きたければこちらの方がいいかも知れない。このアルバムで国際的になったものの、国内ではすでに食傷気味のメロディーが満載。女性をイチコロにさせる歌詞がたっぷり入っている。声も上記アルバムほどひどいダミ声じゃない。 楽曲も彼の得意なバラード調で統一している。噛み締めて聴いて欲しいという作者の意図が伝わる。 ただし、彼をスペイン国内の不動のスターにした名曲はこれらのアルバムには入っていない。それについては、また、別の機会に。
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