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コーラス コレクターズ・エディション
Gérard Jugnot 扮する主人公 Clément Mathieu は、失業中のしがない音楽教師である。1949年、 Mathieu は寄宿学校に住み込み教師として赴任する。親を亡くした子、問題児として送り込まれた子、一筋縄ではいかない子ども達を相手に、彼は忘れようとしていた音楽に再び取り組んでいく。音楽家になれなかった Clément Mathieu の人生に於いての挫折は、彼に夢を諦めさせ、現実に流される人間にしてしまった。しかし、何かから取り残されたという彼と同じ境遇にいる子ども達の中で Mathieu は、本来の音楽を愛するということを取り戻していったのではないかと思う。 ずんぐりむっくりした禿げ頭の小男が愛を語っても、情熱的に教育を語っても、哀れな道化にしかなれない。ラストシーンまで、まるで人攫いかなにかのように、後ろを見ながら逃げ出すようにオドオドと去っていくではないか。それでも、見ているものは容易に彼の視点で子ども達を見て、共に泣き、笑うのである。 冴えない音楽教師 Clément Mathieu の人生は、ごく普通の我々の人生と同じであり、だからこそ彼の生き方に知らず知らずのうちに同調している自分に気づく。ラストに近づいたシーンで走り去るバスを見ながら、止まってくれと願ったのは私だけはないだろう。 映画は最初から、最後まで、静かで(子ども達のいたすらや、多少の言い争いはあるけれど)簡素な上品な作品に仕上がっている。 昨今のいかにもヒーロータイプがこれでもかと押し付けがましく大袈裟に銀幕のなかを駆け巡る作品が多い中で、この寂しく、悲しく、不恰好な初老の教師によりいっそう心を打たれた。一度の目を引く賞賛よりも、人はたとえ地味でも、ひたむきな生き方に共感する。それも、本人の気づかないところで。人生なんてそんなものじゃないか。
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